コーヒービター:17
私はあの時のことを鮮明に覚えている。もちろん酔っていたのは確かだ。そして勢いであんなことも言ってしまった。 だけど、酔っていたからという理由でキスをしたわけではない。少なくとも私には彼女への友情とは違う感情が心の片隅にあった。 けど、なんでだろう…おかしいな、おんなじ女の子なのに。自分でもこの気持ちは半信半疑だ。 そんなモヤモヤ気持ちを持て余しつつ火照った顔を醒ますために窓を開けた。 寒空に凍えるように月が夜空に浮かんでいる。 見上げていた顔を少し下げると、彼女の部屋がある。カーテンの隙間から微かに光が漏れている。まだ起きているみたいだ。 しばらく外を眺めていた。そうしているうちに気持ちも体も落ち着いてきた。 明日からはちゃんと勉強して、いつも通りの私にならなきゃいけない。 気持ち新たに、私は寝る準備をした。
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月は二つの側面を持ち、月に人は狂わされる…。
では風呂にでも浸かって筋肉痛をほどきたいと思います。