コーヒービター:16
気まずい空気が流れていた。その空気を打ち破ったのは 「ま、まぁ事故だし、それに女の子同士だし……ね?」 モモコの一言だった。私とイリスはうんうんと激しく頷き、その場を取り繕った。 「うん、そうよ。うんうん。」 あははと私は笑った。 そして、仕切り直して冷蔵庫に入れていたケーキを取り出して三人で食べることにした。 「じゃあ、食べようか。」 流石に1ホールを三等分するのは大き過ぎるので、九等分してその一つをそれぞれ取った。 いわゆるショートケーキをフォークで一口分にして取って口へ運んだ。 「うん…おいしい!」 私がそう言うと、イリスは顔を輝かせ 「本当?よかったぁ…。」 と喜んでいた。お世辞でもなく、本当に不●家顔負けだ。あっそういえば、そこと比較するのはいけなかった……ゴホンゴホン。 残ったのはそれぞれ分けて持ち帰ることにした。一日に一気に食べるのは太っちゃいそう。 そうこうして、そろそろお開きの時間になった。二人とも帰り支度をして、帰る準備は万端だ。 「じゃあそろそろ時間だし、帰るねー。」 そう言い、手を振って先にモモコが出た。そして、イリスも靴を履いて、扉を開いている。 「私もそろそろ…」 「うん、そうね。イリスも勉強頑張ってね。」 「ありがとう。」 そう微笑み、片足を外に出し、そこで振り返った。 「……ファーストキスが、アヤでよかったかもしれないわ。」 そう言うと照れた表情で、手を振って帰っていった。 「…………恥ずかしいセリフ禁止。」
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ふんだんにネタを使っていますがお気になさらずに。不●家は本当にたまたまです。
明日から学校嫌だなぁ…