コーヒービター:3
イリスが言った言葉はとても不思議なものだった。 「あなたの目に光が灯っていないから。」 「……え?」 全くもって意味がわからなかった。万人のうち一人がわかったら、きっとそれは異人じゃないかと思う。 「…そうね、わかりづらくてごめんなさい。あなたの月を見ている姿がとってもさみしそうだったわ。」 また少し意味を捉えづらかった、それより… 「見ている姿って、あなた、私のこと見てたの?」 さも当然というようにイリスは 「えぇ、ベランダの目の前にある家の部屋、私の部屋だから。」 目の前にある家って…もしかして…… 「あなた、そこの豪邸、いえお屋敷に住んでるの!?」 彼女は少しにっこりとして 「えぇ。まぁ家の持ち主は私のおじいさまだけど。」 因みに、そのお屋敷っていうのは私の住んでいる地区で一番大きい屋敷で、昔からの地主。大きさ的に東京ドーム…はおおきすぎるね。7,8000坪はあるんじゃないかと思う。坪っていう単位なんてよくわからないけど。 「私も住んでいて思うんだけど、あのお家大きすぎないかしら?家屋は門の近くにあるからいいけど、後は畑や竹林がほとんど。広すぎて逆に飽きるわ。」 少しうんざりな顔をしている。 「とっても贅沢な悩みよ。私はその逆で大変なんだから……っておっとっと、話が脱線しかけた。」 「ごめんなさい。で、それで部屋からあなたをみると、いつもさみしそうなの。だからいつも話しかけたいなって思っておもいきって、きちゃった。」 ちょっと茶目っ気に言っている彼女は悪戯っ子のような笑みを見せた。 「来ちゃったって…。」 私は苦笑するしかなかった。 「勝手に私の家に上がり込んだのはいいけど、お家の人は心配してない?中学生の女の子が夜に一人で出歩くのは危ないわ。」 すると、イリスはムッとなり、 「中学生なんて失礼ね!これでも私は受験を控えた高校生よ。ちょっと小さいからって。」 顔も少し幼いから中学生かと思ったけど、まさか。失礼なことを言っちゃった。 「たはは…ごめんごめん。そっかぁ…受験ってどこ受けるの?」 「私?私は、都内のS大学よ。まぁ、一応学校からの推薦もらっているから推薦入試を受けるけれども。」 「え!?S大学って、私が通っている所よ!本当に?」 お嬢様だから、K大学とか女子大学系のところを受けると思っていたけれども、自分のいる大学を受けるとは思っていなかった。 「えぇ、そうよ。じゃあ、彩先輩なんて呼んでみるのもいいかもしれないわね。」 微笑みながら彼女は言った。 「先輩なんて呼ばれるのは久し振りだわ、ふふっ。」 それから私たちは一時間ほど話をした。互いの事や、雑談とかで盛り上がった。 「…そろそろ家に戻らなきゃ。」 イリスは時計を見るとそう言った。 「わかった。一時間ぐらいお話ししちゃったね。」 「とても楽しかったわ。…それと、またここに来ていいかしら?」 少し、照れた表情をしていた。 「もちろん、いいわよ。」 私は会心の笑顔で答えた。
はい、第三話終了です。ちょっと、ファンタジー方面にプロットを書こうかなぁと思いましたが、無理がとても見え見えながらもノーマルな方向に。
さてはて、これでも頑張って書いていますよね?自分。何話まで続くかは不明ですw
小説の修整点ですがお分かりいただけたでしょうか?
そうです、年齢描写です。自分は当初三話のように、高三だけど、中学生に見える。という風に進める予定でしたが、書く内容が消えてしまったショックで変なことが起きちゃったのでしょうね。えぇきっと。そうだと思うわ。(イリス風に)
ではでわー。